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HOME > 豊かな住生活国民推進会議とは: 会長・副会長
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会長:奥田 碩 |
私は、今後の日本の豊かさや、持続的な経済発展を実現していく上で住宅への取り組みが、非常に重要であると考えております。このことを3つの観点から申し上げたいと思います。
まず第一に申し上げたいのは、良質な住宅・住環境の整備は、住生活だけに留まらず、現在わが国が抱えているさまざまな問題を解決し、生活そのものの豊かさを実現していく基盤であるという点であります。
わが国の衣食住のうち、衣・食は満足できるレベルにありますが、生活の基盤となる住宅・住環境は、GDP第2位の国にふさわしいものかという点で、はなはだ不十分であるといわざるを得ません。
現に国土交通省のアンケートによりますと、約4割の人が住宅に不満を持っており、約3割の人が住環境に不満を持っているとの結果が出ております。
私も、海外、特に欧米から日本に戻ったとき、街並みも含めた住環境について彼我の差を痛感いたします。
良質な住宅・住環境は、個々人のゆとりある生活を実現させるだけでなく、空間的なゆとりがもたらす精神的な豊かさを通じ、家族や地域での絆を深めることにつながります。
また、広い居住空間は大人に限らず、明日を担う子供の豊かな創造力を育むことにもなります。
良質な住宅がもたらす人や地域の絆、豊かな創造力は、現在わが国が抱えている道徳観・倫理観の欠如、ものを考える力の低下などの教育が抱える問題への対応という点で、重要な役割を果たします。
少子化・高齢化問題への対応においても、住宅の質の向上が鍵となります。
今後増勢が予想される老人介護の視点から見ても、広い空間、間取りの多い住宅、バリアフリー化された住宅が絶対に必要であります。
さらに、広い住宅に二世帯で居住し、祖父母が孫の面倒を見ることができるようになれば、女性の労働環境の改善になり、かつ、少子化問題の解消にもつながることが期待されます。
また、住宅は都市や街並みを形成する重要な構成要素であり、住宅ストックの向上なくして魅力ある都市は形成されません。美しい街並みの整備は、こころの豊かさをもたらすだけでなく、内外の観光客の取り込みを通じ、観光立国としてのわが国の新たな成長にもつながります。さらには、耐震性や省エネ性能、防犯性に優れた住宅は、国民生活の安全・安心、治安の良いまちづくりを実現する上で不可欠であります。
また、断熱性・気密性に優れた住宅は、現在、世界的に取り組みが急がれている低炭素社会への実現にも大きく貢献していくことになります。
今申し上げましたことを考えますと、良質な住宅は経済社会の礎であり、“社会的なインフラ”と申し上げることができます。
第二に申し上げたいのは、住宅を内需拡大の最大の柱に位置づけるべきという点です。
わが国経済が今後持続的に成長していくためには、従来のような外需依存ではなく内需主導型経済とする必要がありますが、その中で住宅こそが大きな柱になると思います。
住宅産業は裾野が広く、住宅そのものでも年間19兆円、資材など関連産業の生産誘発効果を入れると36兆円にものぼる産業であります。
また、19兆円はGDP比で3.3%であります。これは欧米の5〜6%に比べ、極めて低い水準と言わざるを得ません。この点からみても、国内の住宅投資は、まだまだ伸びる余地があるのではないでしょうか。
さらに、先ほど申し上げた観点から、豊かな住宅・住環境が整備されれば、家具・電気製品・自動車等の購入により、連鎖的に内需が拡大していくことが見込まれます。住宅・住環境整備による内需拡大策なくして、今後の日本の発展は考えられないと思います。
こうした住宅投資を促進し、内需主導型の経済成長につなげるためには、一時的な景気対策としてではなく、恒久的な住宅政策が求められます。
戦後の住宅政策を振り返ると、量の充足に主眼が置かれ、質の充実、あるいは社会的インフラの整備という視点が抜け落ちたまま進められてきました。その結果、いわゆるペンシルハウスの林立や、クモの巣状の電線という、まことにお粗末な街並みになってしまったものと思います。
ここにきて、一昨年の住生活基本法制定など、質的充実への政策転換の兆しが見られますが、これを確実なものとし、また、内需拡大をはかっていくためにも、住宅政策を国家戦略と位置づけ、国民的な広がりを持って、これを進めていくべきであると思います。
3点目に申し上げたいのは、豊かな住生活の実現のためには、人々のライフステージやライフスタイルに合わせ、都心・地方への住み替えや二世帯居住、二地域居住など、幅広い世代にわたる多様な住まい方のニーズを満たしていく必要があるということです。
そのためには、新築・既存住宅の一次取得だけでなく、住み替えや現有住宅のリフォームなど、多様な住宅の建設・流通を促していく必要があります。
特に良質な住宅を長期にわたり住み継ぎ、人々がライフステージに応じて、適切に住み替えができるようにすることが、今後の政策課題として重要であります。
しかしながら、日本の住宅の平均寿命は約30年であり、欧米の50〜80年に比べ、極めて短く「作っては壊し」と、資源の無駄遣いになっております。今後、良質な住宅が適切に評価される形で、既存住宅(中古住宅)の流通市場を整備していく必要があります。
その他、豊かな住生活を実現していくためには、解決すべきさまざまな課題がありますが、先ほど申し上げましたように、住宅政策を国策として推進していくためには、産業界や政界・官界のみならず、住生活の主役である国民も含めた、広がりのある運動が必要であると感じておりました。
そうした時、和田会長はじめ住団連の方々が、国民的広がりをもって日本の住宅・住環境を良くして行くための国民会議をつくりたい。」とご説明に来られました。
それは、まさに私がかねてから思っていたところでありましたし、住団連の皆様の熱心さにも心を動かされた結果、発起人代表に就任することを承諾した次第です。
国民推進会議は日本の住宅・住環境を良くしたいという人々の集まりであり、心を一つにしていく場だと思います。一人ひとりの創意工夫を活かし、国民推進会議として、意義ある活動をしていきたいと思います。
発起人には、住宅・住環境に造詣の深い、日本の各界を代表する皆様方にご就任いただいております。 皆様のご協力のもと、国民運動を強力に推進し、日本の住宅・住環境を良くしていきたいと思います。
以 上
2008年8月28日
![]() 青山 佳世さん |
![]() 伊藤 滋さん |
![]() 甲斐 徹郎さん |
![]() 巽 和夫さん |
![]() 樋口 恵子さん |
![]() 平山 正剛さん |
![]() 堀田 力さん |
![]() 村上 周三さん |
![]() 樋口 武男さん |











